2012年3月9日金曜日

三國志について興味を持ちました。誰のどの小説を読めば良いんですか?

三國志について興味を持ちました。誰のどの小説を読めば良いんですか?







演義系小説(日本の小説はほとんどそうですが・・)はいろいろ出ています。

ただし、以下の4種は五丈原で諸葛亮が死ぬまでです。

演技的にはクライマックスですから・・・。



〇三国志(吉川英治)講談社全8巻

三国志といえば、まず吉川三国志ですね。

スタンダードですね。



〇完訳三国志(村上和行)教養文庫全5巻

村上さんの作品は好きなんですが、これはもう一つですね。



〇秘本三国志(陳瞬臣)文春文庫全6巻

この人の作品は安心して読めます。

三国志以外の中国歴史小説もいいですよ。



〇興亡三国志(三好徹)集英社全5巻

ダイナミックな切り口で、読みやすくお勧めです。魏主体です。



お勧めは陳さんの秘本三国志ですが、

三好さんの興亡三国志も捨てがたしです。

割と評判いいですし・・。

ストーリーは変えようが無いので流れは当然一緒です。



その後(諸葛亮死後)も興味がおありならば下段へどうぞ・・・。



〇英雄三国志(柴田練三郎)集英社全6巻

〇英雄生きるべきか死すべきか(柴田練三郎)集英社全3巻

さすが柴練って感じですが、芝居かかった書き方は、

他の作家さんとは違和感があります。

どちらも内容は同じといっていいと思います。



〇呉三国志長江燃ゆ(伴野朗)集英社文庫全10巻

呉を主人公としたことには拍手を送りたいですが、ちょっと長い。

また、10巻の途中まで孫権が生きています。

独特の切り口で、作者の主観が入っているので

演義と違和感があるとの評もあります。

私は小説なんだから、それでいいと思いますが・・。

孫権死後ももう少し書いて欲しかったです。残念



〇小説三国志(鄭飛石)光文社文庫全3巻

韓国の国民的人気作家の三国志です。

蜀滅亡までの物語で演義とも違う書き方です。

独特の切り口で、面白かったです。

大穴的にお勧め



〇三国志(宮城谷昌光)刊行中

宮城谷さんらしい描き方です。読みやすいです。

曹操のお爺さん時代から始まります。

単行本で7巻、まだ劉璋戦。

どこまで続くのでしょう。今後が期待です。

文庫本で2巻刊行中、

私は文庫派なんで買いたいのを我慢してます。



〇三国志(北方謙三)ハルキ文庫全13+2巻

私は、これから入りました。

とても面白いです。

でも、言い切ってしまえばこれは三国志ではなく北方三国志です。

演義系というよりは、珍しく正史系の匂いがしますね。

最初に読むと、他の演義系の小説や訳本との違いに戸惑います。

後でもいいかな。



上記の5種はストーリーは同じでも、

内容は著者のオリジナルと言っていいと思います。



鄭さんの小説三国志を押します。



本来なら、三国志演義の訳本を読んでから、

小説に進むのが王道かとも思いますので・・・。



吉川英治さんの「三国志」も

漫画といえばこれとも言われる、

横山光輝さんの「三国志」も含めて、

日本で読める「三国志」の小説は、

ほぼ、三国演義120回本が底辺です。

(横山さんの漫画のベースは吉川三国志ですね。)



三国演義は120回の小段落に分かれています。

この120回本訳という括りで・・。



〇三国志演義(井波律子訳)ちくま文庫全7巻

訳本としては秀逸だと思います。読み易いですよ。

訳本としては、最も新しいので現代語訳が馴染みやすいです。



〇三国志演義(立間祥介訳)徳間文庫全4巻

1988年訳本の新訂刊です。華はありませんが安定してます。



〇完訳三国志(小川環樹ほか訳)岩波文庫全8巻

戦後では一番古い訳本です。

88年改訂されたので古臭くは感じません。



〇三国演義(安能務訳)講談社全6巻

文章が綺麗で、とても読み易いです。



お勧めは『三国志演義(井波律子訳)』です。



個人的には安能さんの「三国演義」を推したいのですが、

一部では評判悪いので・・。

なお、どれも基本は一緒ですので、

複数読むと「あれっ、これ読んだよなあ。」になります。








他の方も仰ってますが、普通の三國志なら、やはり陳さんか吉川さんがいいと思います。

北方さんの三國志は、他の本を読んだ後にした方がいいかと思います。だいぶ違うので他の人と話す時に戸惑うかも。

そういう私も、北方さんの三國志から入ったクチなんですがね(苦笑)。水滸伝も北方水滸伝から入ったから、人物のイメージが全く違くて戸惑いました。







いくつか種類がありますが、個人的感想から



三国志演義

ほとんど全ての小説の基となっているオーソドックスな小説です。吉川英治

の三国志や横山光輝の三国志(漫画)などはこれから派生しています。

ただし、中国語をそのまま日本語に翻訳しただけのような文章なので一部

分かりづらいところなどもあります。



三国志(吉川英治版)

上記の三国志演義を日本人向けにアレンジした小説です。三国志演義

で分かりづらかった表現をうまくアレンジしているので俗に言う入門書として

は最適なものかと思います。



秘本三国志

三国志演義、吉川英治版三国志は蜀と言う国の人物を主役にすえて

物語を構築していますが、これは正史と言う歴史書に載っている記述を

基に作られた小説です。主人公は魏の国の曹操。上記2つよりも歴史的

事実に沿ってお話は作られています。(ただし、100%歴史的事実に沿って

いる訳ではありません。あくまでも小説なので創作部分は当然あります。)



まずは吉川英治版の三国志を読んでみて、歴史的事実にも興味を持つ

ようなら秘本三国志を読んでみてはいかがでしょうか。



三国志演義は吉川三国志を読んでいれば敢えて読む必要は無いかも

しれません。



他にも色々出ていますが、そこからは自分の目で見て判断すればよろしい

かと思います。







小説なら入りやすさなら吉川英治さんの書かれた「三国志」がいいと思います。量的にも内容的にも手軽に読みやすく入門には最適かと思います。横山光輝さんの漫画「三国志」は吉川版三国志をベースに描かれています。

また質問者さんが読書好きである程度長かったり登場人物が多くても平気なら羅貫中という人が書かれた「三国志演義」の訳本を読まれるといいと思います。

日本人の過半数が単に「三国志」というときにはこれをさすというもので吉川英治さんの三国志と比べるとお手軽感は落ちますがその分、内容は実に面白く読み応えがあります。



いくつも小説の三国志はありますが「吉川版三国志」→「三国志演義」の流れが私としてはおすすめです。







小説より漫画の方がハイペースで理解できますよ!



いろいろ出てます。ブックオフで探してみてください。



個人的には、絵があまりに写実的なものより、ある程度



漫画チックに描いてある方が想像力がふくらんで楽しいです。



その意味でも、横山光輝「三国志」が好きです。

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